
夏の短い期間だけ参拝できる、神秘の山頂にある「月山神社」。
山形県の霊峰・月山の頂に鎮座し、月の神「月読命(つくよみのみこと)」を祀るこの神社は、出羽三山の中でも特別な存在です。この記事では、月山神社の歴史やご利益、参拝のポイントをわかりやすくご紹介します。
月読命(ツクヨミノミコト)とは?
神話の中の存在
月読命(つくよみのみこと)は、日本神話に登場する月の神です。主に『古事記』『日本書紀』に記述があり、以下のような特徴があります:
特徴 | 内容 |
---|---|
神名 | 月読命(ツクヨミノミコト) 「月を読む=月の運行を司る者」の意味ともされます |
出典 | 『古事記』『日本書紀』などの神話書 |
系譜 | イザナギが黄泉の国から帰還後、禊を行った際に生まれた三貴神(さんきしん)のひとり |
三貴神 | 天照大神(太陽の神) 月読命(月の神) 素戔嗚尊(海・嵐の神) |
どんな役割の神様?
月の神
- 月読命はその名の通り「月を司る神」。
- 古代日本では、暦や農耕、潮の満ち引きなど月の運行が人々の生活に深く関わっていたため、重要な存在でした。
- 天照大御神の弟神で月を象徴する神。
夜の世界の統治者
- 天照大神が昼の世界を治めるのに対し、月読命は夜の世界の支配者とされます。
- 夜、魂や死後(命の再生、蘇り)の世界を司どります。
月山神社本宮は古来から特別な神域とされ、お祓いを受けないと中へ入ることができません。もちろん写真撮影も禁止です!!
神話エピソード:月読命と保食神
『日本書紀』の一節に、次のような話があります。
天照大神に代わって、地上に住む神・保食神(うけもちのかみ)を訪ねた月読命。
保食神は、口から食べ物を出してもてなしたが、これを「汚らわしい」と怒った月読命は、保食神を斬ってしまった――。
このエピソードから、月読命はやや厳格な性格とも解釈されます。これを機に、天照大神は「あなたとはもう会わない」と宣言し、「昼と夜が分かれた」とする神話的説明もあります。
月読命を祀る主な神社
- 月山神社(山形県):山頂にある信仰の聖地。出羽三山のひとつ。
- 月読神社(京都府・壱岐島など):全国に月読命を祀る神社が点在します。
象徴や関連モチーフ

象徴 | 意味 |
---|---|
月 | 時の流れ、静けさ、女性性、再生などの象徴 |
兎(うさぎ) | 月の使い、卯年との関連もあり、特に月山では兎が縁起物 |
水 | 潮の満ち引き(月と関連)から、浄化の神とされることも |
現代のご利益は?

月読命は以下のような願い事と関係があるとされます
- 安産・子授け(特に女性との関わりが強いため)
- 健康長寿
- 厄除け
- 時の運・流れを整える(開運)
まとめ
月山神社は「自然・信仰・歴史」が融合した、まさに日本の原風景を感じられる場所です。
夏の登山とともに、月読命への参拝で心と体を清めてみてはいかがでしょうか。
また、山頂の月山神社は東北で唯一の旧官幣大社です。明治時代、国家から特別な格式を与えられた特別な神社とのこと!!
信仰の山でもあり、その歴史と格式の高さは全国でも有数。
壮大な景色と歴史・格式の高さが登山客を魅了するのかもしれませんね。